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拓殖大学 国際協力研究機構 日・露・台共同「台湾研究」プロジェクト 第1回 国際シンポジウム

日時: 平成26年11月29日(土) 10:30~16:00 (受付開始10:00)

場所: 拓殖大学文京キャンパスC館4階 C406教室(東京メトロ丸ノ内線「茗荷谷駅」徒歩3分)

定員: 100名

テーマ: 西洋から見た日本の植民政策

台湾は近年、国際的な孤立と内部に抱える諸矛盾を克服して、めざましい経済発展と民主化、社会の成熟化を実現した。日・露・台共同で進める本「台湾研究」は、台湾の今日の成功がどのような条件、基礎のもとに実現されたかを地域発展の一つの事例として解明し、地域開発モデルとして世界の後発地域に提供することを企図している。本シンポジウムは、日本の台湾経営と、その前提となる日本の植民政策を、より普遍的な台湾発展の初期条件の一つとして捉える視点から、「西洋から見た日本の植民政策」を最初のテーマに掲げた。―渡辺利夫(「地域開発モデルとしての台湾」)

 

プログラム

開会 10:30
開会挨拶
渡辺利夫 拓殖大学総長・国際協力研究機構長
講演
(午前)
10:35~
12:30
(1)地域開発モデルとしての台湾
渡辺利夫(拓殖大学総長・国際協力研究機構長)
(2)ロシアから見た日本の植民地政策― 白黒イメージからカラーへ
モロジャコワ・エリゲーナ(ロシア科学アカデミー東洋学研究所日本研究センター長・副所長)
(3)米領フィリピンと日本統治下の台湾― 田健治郎総督時代の交流を中心に
鍾淑敏(台湾中央研究院台湾史研究所副所長)
【特別報告】日本統治時代の台湾の地方行政と基層社会―「台北州案」の研究
玉置充子(拓殖大学海外事情研究所客員研究員・中華民国外交部フェローシップ)
休憩 12:30~13:30  
講演
(午後)
13:30~
15:20
(4)フランス知識人が見た日本の東亜政策― 満州事変前後を中心として
モロジャコフ・ワシーリー(拓殖大学日本文化研究所教授)
(5)国際関係と都市開発― 近代の日本人による上海進出をめぐって
陳雲蓮(拓殖大学日本文化研究所客員研究員)
(6)日本の台湾統治に関わった英国人― 台湾総督府顧問マイヤースの事例
長谷部茂(拓殖大学日本文化研究所主任研究員)
質疑応答 15:20~15:50  
閉会 閉会挨拶
16:00
林文通 台北駐日経済文化代表処教育部長

司会:丹羽文生(拓殖大学海外事情研究所准教授)
コメンテーター:春山明哲(早稲田大学アジア研究機構台湾研究所 客員上級研究員、前・日本台湾学会理事長)
※都合により、テーマ・講演講師等が変更になる場合があります。予めご了承ください。

 

受 講 料 無料
申込(問合せ)先 拓殖大学 学務部研究支援課(Tel03-3947-7595
※件名を[台湾研究プロジェクト第1回国際シンポジウム申込]とし、①氏名(ふりがな)②郵便番号③住所④年齢⑤職業
⑥電話番号を明記の上、〈FAX〉または〈E-mail〉で、次までお申込みください。
  〈FAX〉 03-3947-2397(拓殖大学 学務部研究支援課)
〈E-mail〉 k3kikou@ofc.takushoku-u.ac.jp
申 込 締 切 平成26年11月15日(土)
※なお、ご応募はお一人様1回限りとさせていただきます。応募者が多数の場合は、抽選とさせていただきます。
当選者の発表は「参加証(ハガキ)」の発送をもって代えさせていただきます。(発送は、11月20日頃を予定しています。)
そ の 他 (1)携帯品の盗難、紛失、破損などの責任は負いかねますので、ご了承ください。
(2)車、バイク、自転車での来校はお断りします。各種公共交通機関をご利用ください。
(3)次の行為はご遠慮いただいております(受講をお断りすることがあります)。
  受講者・講師等に迷惑となるような行為   ・講義の録音および写真、動画撮影
  講義、講演の進行を妨げると思われる行為  ・勧誘、宣伝広告

 

講演者略歴・講演テーマ要旨

渡辺利夫(拓殖大学総長・国際協力研究機構長) 

141014project_01.jpg 1939年生まれ。慶應義塾大学卒業、同大学院博士課程修了。経済学博士。筑波大学教授、東京工業大学教授を経て2005年4月より拓殖大学学長。2011年11月より現職。専門は開発経済学。近著に『新脱亜論』、『アジアを救った近代日本史講義――戦前のグローバリズムと拓殖大学』等がある。

 

 


モロジャコワ・エリゲーナ(ロシア科学アカデミー東洋学研究所日本研究センター長・副所長) 

141014project_02.jpg1937年生まれ。歴史学上級博士。ロシア科学アカデミー東洋学研究所副所長兼日本研究センター長・所長。モスクワ国際関係大学名誉教授

「ロシアから見た日本の植民地政策― 白黒イメージからカラーへ」

ロシアは19世紀末以来、日本の東亜政策、植民地政策を常に視野に置いていた。帝政ロシアは、初めて台湾を取り上げ、そこから日本の植民地開発・経営政策の経験と成功を検討した。ソ連は、コミンテルンを通して世界革命をめざしていたので、アジアの植民地をそれぞれ個別の地域と見なし、列強の植民政策を批判した。現在、ロシアの歴史家はイデオロギーを排除して、過去の光と影を公平に研究している。

 

鍾淑敏(台湾中央研究院台湾史研究所副所長)

141014project_03.jpg1996年東京大学文学博士。専門は日本統治時代の台湾史、台湾総督府档案研究。総督府の南進政策、植民地官僚に関する論文多数。2008年6月に海外の台湾関係資料調査のためロシアを訪問。現職は2013年9月に2期目就任

「米領フィリピンと日本統治下の台湾― 田健治郎総督時代の交流を中心に」

日本統治時代、台湾総督府は所謂「南支南洋政策」の下に、常に南方各植民地の動向を見つめていた。バシー海峡を隔てて一葦帯水の位置にあるフィリピンに対してもアメリカの植民地統治に注目し、長期に亙り調査し続けた。本論文は台湾総督府の対フィリピン施策を検討しながらフィリピンに対する総督府の視点を研究しようと考える。とりわけ田健治郎総督時代にフィリピン総督レオナード・ウッド将軍((Leonard Wood 総督在任1921年10月‐1927年8月)及び有名なフィリピン研究者ジョセフ・ヘイドン(Hayden, Joseph Ralston)の台湾訪問の意味について考えてみたいと思う。

 

モロジャコフ・ワシーリー(拓殖大学日本文化研究所教授) 

141014project_04.jpg1968年生まれ。歴史学博士、政治学上級博士。ロシア科学アカデミー東洋学研究所客員研究員。2013年4月から現職。

「フランス知識人が見た日本の東亜政策― 満州事変前後を中心として」

満州事変以後、1930年代の日本の東亜政策に対する、海外、特に欧米の評価は基本的に否定的であった。国際連盟体制の一つの柱であったフランスでも、政府の立場は比較的に反日だったといえる。しかし、フランス知識人の一部、政治評論家と作家の評価は明らかに親日であった。フランス植民地政策の擁護者は日本植民政策も擁護していた。

 

陳雲蓮 (拓殖大学日本文化研究所客員研究員) 

141014project_05.jpg西安外国語大学日本語学部卒。2010年京都府立大学大学院人間環境科学研究科 博士課程修了、学術博士号取得。2010年4月‐2012年3月日本学術振興会特別研究員(post doctor、名古屋大学) 。2012年4月から2年間、英ケンブリッジ大学訪問研究者。2014年6月から現職。専門は都市史、建築史、建築文化財保存

「国際関係と都市開発― 近代の日本人による上海進出をめぐって」

1894〜1895年日清戦争後、日本政府と経済界は、上海の外国租界に本格的に進出するが、上海では欧米諸国がすでに強い既得権をもっていた。そこで、外務省は国際感覚を身につけた外交官たちを上海に投入し、欧米人と真正面からの衝突を避け、上海で日本人にとって必要な都市施設を建設できるように上海進出の戦略を練っていた。本報告は、「夢に終わった日本専管居留地」、「日本の機能的地域展開」、「日本人の都市サービス享有権利の取得」を中心に、日本人と近代上海の都市開発との関係を示していきたい。

 

長谷部茂(拓殖大学日本文化研究所主任研究員) 

141014project_06.jpg1981年台湾大学文学院哲学系卒。㈱クロスカルチャー事業団、アジア問題研究会研究員、『ChinaCoast』編集長、中国投資コンサルタント、ミャンマー経済経営研究所主任研究員等を経て2001年から現職。創立百年史編纂室編集委員兼務。専門は現代新儒学、中国イスラーム 

「日本の台湾統治に関わった英国人― 台湾総督府顧問マイヤースの事例」

英国人医師ウィリアム・ワイクハム・マイヤース(William  Wykeham  Myers 1845年-1920年?)は、日本の台湾領有直後、予想外の激戦の中を南下する日本軍の打狗(高雄)進駐に協力した功績により明治30年4月、台湾総督府顧問に迎えられた。約20年に及ぶ台湾経験と医学的知識をもとに、マラリア研究、アヘン対策、台湾自治制度といった総督府の直面する数々の難題について意見書を提出した。その生涯と事績を、主に台湾総督府公文書からたどってみる。

掲載日:2014年11月14日

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