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エクセターだより ~イギリスの林先輩にお会いして~
海外留学プログラム(長期研修・エクセター大学)
商学部経営学科4年 平 将充
私たちのイギリスでの留学生活も残すところ二か月を切り帰国日が迫ってきました。帰国後の将来について思案に暮れていた時、現地主事の津野志摩子さんから、英国日本通運株式会社引越センター所長の林益夫さん(1990年拓殖大学外国語学部英米語学科卒業)をご紹介いただき、お話を伺う機会を得ました。
初めに林さんの経歴をご紹介します。林さんは、拓殖大学在学中にカナダ・バンクーバーへ語学留学をされました。学3の夏から2年間休学され、外務省主催在外公館派遣員としてシンガポール大使館勤務となり、卒業後は日本通運株式会社に入社されました。 2001年から米国ニューヨーク勤務、その後2003年にシカゴ勤務、通算5年半の米国勤務の後、2006年12月に一旦帰国されましたが、昨年2月からロンドン勤務となり現在に至っておられます。林さんの貴重なお話に私たちは熱心に耳を傾けながらも漠然とした不安な将来について率直な質問を投げかけました。林さんはそれに対してとても親身になって助言してくださいました。
以下に私の感想を述べます。私には林さんの、「社会に出て大切なことは、個性があり創造性豊かであることだ」という言葉が印象に残りました。なぜならばこの言葉は私がここに来て発見したことに通じるものがあったからです。私はアジアの国々の学生たちと一緒に勉強しています。未来を見据え頑張っている彼らから私は大切な事を学びました。それは幅の広い視点でものを考えるということです。
学校では自分自身の考察を迫られるケースが非常に多くあります。先生が全てを説明するのではなく、学生に問いかけ、その答えをもとに授業が進められるのです。聞かれたことに答えることは、当たり前なのですが難しいのです。私はこの、今まで見たことのない進め方に苦戦しました。例えば「広告とはなんですか?」といったとても単純な質問に対して、彼らは「(広告には)マーケティングと製品の二つの機能があるが不用な物を買ってしまう原因にもなる。」等と多くの意見を瞬時に出します。また、意見を出すだけではなく良い点と悪い点の両方を述べるのです。アジアの国々の学生たちはとても押し出しがよく、自分の意見が否定されることを恐れてはいません。自分で考え仮説を作り上げているのです。また、意見の定義や根拠が完全に正確かどうかはあまり関係ありません。『大切なのは今まで自分が得た情報や出来事を、自分なりの物の見方で解釈しアイデアを出すことである。』と私は彼らとの学習を通じて学びました。
(写真;林先輩を囲んで)
林さんのお話に出てきた創造性とはこれだと私は確信しました。このことに気が付いてから私の留学生活は変わりました。幅広い物の見方を養うために、自分自身について、そのほかのあらゆる事について考え抜くようになりました。また、英語を使えば国籍の違う人間と話ができ、より多くの物の見方を養えます。アメリカ人からはアメリカ人の視点から見た原子爆弾投下の話を聞き、リビア人からはカダフィー政権の利 点について、韓国人からは韓国から見た朝鮮併合の話を聞きました。このような体験は、言語学習や専門分野における学習等に劣らず、幅広い教養の獲得ということに繋がっていくのだということに思い至りました。(右写真:学友達と)
このようなことに気づくきっかけを与えていただき、私の留学をより豊かなものにして下さった林益夫さんと津野志摩子さんに深く感謝申し上げるとともに、残り少ない留学生活を完結させたいと考えています。また、帰国した後もこのような体験を日本において生かしてゆくにはどのようにしたらよいのか、自分自身でよく考えながら日々の生活を送ります。
掲載日:2013年02月13日