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拓殖大学は横綱白鵬関に客員教授を委嘱しました
大相撲の第69代横綱・白鵬関が6月1日付けで本学客員教授に就任し、6月11日に文京キャンパスで委嘱状の交付式を行いました。
白鵬関は客員教授として、今後、講座「世界の中の日本」で講演を行います。
同時に、大学と北海道短期大学が合同で研究する「白鵬研究プロジェクト」発足の記者会見を行いました。記者会見には、26社40人の記者の方に出席して頂き、夕方のニュースや翌日の新聞で報道されました。
文京キャンパスでの会見の後、八王子キャンパスに移動し、客員教授研究室で、プロジェクトのメンバーとの顔合わせを行いました。今回の客員教授就任とプロジェクト発足を記念して、白鵬関から大関時代の優勝額が贈呈され、除幕式を第一体育館で行いました。最後は相撲部の稽古見学やレスリング場の視察も行いました。
挨拶(要旨)
学校法人拓殖大学 理事長 福田勝幸
拓殖大学は1900年、明治33年に台湾協会学校として台湾やアジア各地で活躍できる人材、今日でいうところのグローバルな人材を育成することを目的として創立された大学です。
白鵬関とは、ご縁があり、昨年10月に本学の設置校である北海道短期大学の女子バスケットボール部の名誉監督に就任していただきました。あわせて、横綱の母国モンゴルが主な原産地となっておりますシーベリーの研究開発のための記念植樹をいたしました。
また、本年の2月13日には、白鵬関がわざわざ本学においでくださいまして私と約1時間、親しく懇談させていただきました。
本学の校歌に「人種の色と地の境、我が立つ前に差別なし」という一節があります。
拓殖大学の建学の教育理念は「積極進取の気概とあらゆる民族から信頼される教養と品格を備えた有為な人材の育成」です。白鵬関は、相撲道はもちろんでありますが、まさにこの本学が目標とするところの教養と品格を備えた国際人であると確信しております。
本学にはアジアから多くの学生が留学しておりますが、モンゴルからの留学生も現在4名在籍しております。
本学に学ぶ未来を担う多くの若い学生達が白鵬関から様々なことを学んでもらいたいと、この度、本学の客員教授に就任いただくことになりました。また、併せて研究プロジェクトを立ち上げ、横綱の強さの秘密を研究し、本学の教育研究にもご協力いただくこととなった次第です。
ご覧の通り、本学では現在2015年に向けてキャンパスの再開発をはじめ、建学の原点である多様な文化に適応し、現地の人々から信頼されるグローバル人材の育成に力を入れていきたいと思っております。
ご出席の皆様には、今後ともよろしくご理解とご支援の程、お願い申し上げ、ご挨拶とさせて頂きます。
拓殖大学 学長 髙橋敏夫
本学では、本務の有無、国籍及び年齢を問わず、その学識経験等に照らし教授に準じて研究及び学生の教育指導にあたらせることが適当と認められる者が客員教授になることができるという規定があります。
今回、横綱白鵬関には平成25年度講座「世界の中の日本」担当客員教授に就任していただきました。この講座は、学生の教養教育科目として、週に1回、各界で活躍されている第一人者を講師にお迎えし、講演いただいている授業科目で、多くの学生が履修しています。
今年度は白鵬関以外に駐日インド大使、元ミャンマー大使の山口洋一氏、本学のOBで現在、アフガニスタンの大使を務めております高橋博史氏等々を予定しています。
なお、現在のところ白鵬関の講演日は未定ですが、この客員教授の任期は年度末、つまり、来年の3月31日までです。
横綱白鵬関にはどうかご自身が国際人として活躍されている努力や秘訣などを本学の学生諸君にご教授いただければ大変有り難いと思っています。
合同研究プロジェクトについて
拓殖大学北海道短期大学 学長 篠塚 徹
【趣旨】
- 学校法人拓殖大学は、本日第69代横綱白鵬翔関に関する研究プロジェクトを立ち上げ、白鵬関の強さの秘密に迫ることといたしました。
- 白鵬関は高潔円満な人柄に加えて、優れた知性、強靱な肉体、豊かで合理的な食生活、格調高い日本語能力を併せ持っています。なぜこのようにあらゆる面で優れた強い人物が生まれたのかについて、大学の研究ならではの視点から多角的に分析・研究することが趣旨です。
【研究チームの組成】
- 本研究は、拓殖大学と拓殖大学北海道短期大学(北短)が合同で研究チームを組成し、行います。
- 研究は拓殖大学と北短の教員が担当分野を決めて、それぞれの専門性を生かした形で進めます。
- チーム長は、北短学長篠塚徹が務めます。
- 食育面は、環境農で教鞭を執っている北短の岡崎正昭教授と大道雅之教授が担当しますが、研究の視点は、白鵬関が幼少時代からどのような食生活を送ってきたのか、その後食生活がどのように変化し、今日に至っているのか。食育の変遷が肉体的・精神的な強さに影響を与えているか、です。
- 教育面は、北短副学長の土門裕之教授が担当します。土門教授は長年幼児教育に携わってきましたが、現在経営経済科のゼミも担当しています。研究の視点は、白鵬関がどのような教育環境の下で成長したのか。教育面から優れた知性や研ぎ澄まされた感性がどのように育まれてきたのか、です。
- 語学面は、日本語の能力については、近藤真宣拓殖大学教授が担当します。同教授は国際学部に所属しています。研究の視点は、来日時(2000年10月)にはまったく日本語を理解していなかった少年が、どのように日本語を習得していったのか。どのように正確で品のある日本語を身につけたのか、です。
- 体育面は、西口茂樹拓殖大学教授が担当しますが、同教授は国際学部に所属し、拓殖大学体育振興部長でもあります。研究の視点は、入門時は目立たなかった肉体が今日の強靱な肉体に変わっていった要因は何か。その素地は幼少時に培われていたのか。力強さと柔らかさを併せ持つ肉体はどのようにして生まれ、維持されているのか、です。
掲載日:2013年06月13日