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日本文化研究所・秋のシンポジウム「新渡戸稲造とその時代」が開催されました
日本文化研究所主催・秋のシンポジウム「新渡戸稲造とその時代――宿命の日米関係――」が、11月17日土曜日午後二時よりC201教室にて開催されました。
パネラーは、古森義久(産経新聞編集特別委員)、手嶋龍一(慶應義塾大学大学院教授)、草原克豪(拓殖大学元副学長)、澤田次郎(拓殖大学政経学部教授)、渡辺利夫(拓殖大学総長・学長)の各氏、モデレーターを遠藤浩一日本文化研究所所長が務めました。
本学の第二代学監を務め、国際連盟事務次長として活躍した新渡戸は、愛憎渦巻く日米関係の渦中で呻吟し、苦闘したことで知られますが、本年が生誕150年にあたる新渡戸の足跡を辿りながら、過去から今日にいたる日米関係の問題点と重要性について語り尽くそうという企画。
「新渡戸は国際心と愛国心を併せ持った真の国際人」(草原氏)、「相手の無法、暴挙、虚言に対して主張すべきは主張し、国際世論に向けて粘り強く訴えた新渡戸の姿勢から学ぶことは大きい」(澤田氏)、「日英同盟が破棄に追い込まれて孤立化の道を歩んだという教訓を忘れてはならない」(渡辺氏)、「普天間基地の移転問題が解決せず、米海兵隊の戦力がハワイ・グアム・オーストラリアに移駐しはじめている事実は日米同盟弱体化を意味している」(手嶋氏)、「中国があからさまな海洋進出の意図を見せ始めたことで、日米同盟の重要性は高まっている。問題は日本がこれにどう応えるかだ」(古森氏)と、核心を衝いた議論が展開されました。
歴史に学び、今日と未来を考える本シリーズは、「桂太郎とその時代」(平成22年)、「後藤新平とその時代」(同23年)と続き、三回目の今回も、満員の聴衆が熱心に聞き入っていました。
掲載日:2012年11月19日