拓殖大学関連の刊行物
『「不安の書」/フェルナンド・ペソア』 高橋都彦 商学部教授(訳)
20世紀前半のヨーロッパを代表する詩人のひとりフェルナンド・ペソア(18888~1935)も、生前は故国ポルトガルでもあまり知られていなかった。しかし膨大な遺稿が徐々に刊行されるに及んで、複数の顔をもつ詩人として、また散文でもその現代性が高く評価された。
1982年に刊行された本書は、存在の不安、自己のアイデンティティの危うさ、生の倦怠、夢と現実の対立の交錯が、リスボン在住の簿記係補佐の手記という形式で語られた、現代世界文学の傑作である。原著はいくつかの版があるが、一つの版の完訳は本書が本邦初訳。
出版社/発行
新思索社 /2007年 1月31日
掲載日:2007年01月31日