拓殖大学関連の刊行物
『重商主義~近世ヨーロッパと経済的言語の形成~』 ラース・マグヌソン著・熊谷次郎・大倉正雄(政経学部教授)訳
この研究分野の最高権威とされる文献に、ヘクシャー『重商主義』がある。翻訳書は、ヘクシャーと同じスウェーデン人マグヌソンによって書かれた、同じタイトルをもつ大作である。
17世紀前半のイギリスで「重商主義革命」といえる経済学の進歩が、後半には斯学の総合化への試みが見られた。またそのような動向は「経済学的言語」といえるものの形成をもたらした。スミス『国富論』はこのような「言語」がすでに形成されていたからこそ、生まれた。つまり重商主義の経済学と古典派のそれとの間には、深層において連続があった。
本書は一次文献の詳細な検討を踏まえて、このような思想史の展開過程をダイナミックに描き出している。
出版社 / 発行
知泉書館 / 2009年6月
訳者代表
大倉 正雄 (おおくら まさお)
1947年、広島県生まれ。立教大学大学院経済学研究科博士課程修了。経済学博士。1994年4月、拓殖大学政経学部教授。アダム・スミスの会会員。専門は経済思想史。研究課題は、イギリス重商主義期の財政思想史とW・ペティの経済思想。
掲載日:2009年06月01日