拓殖大学関連の刊行物
『政権交代のまぼろし』 遠藤浩一(大学院 地方政治行政研究科教授)著
平成17(2005)年の郵政民営化選挙において自民党は党勢を回復したかにみえたが、それは燃え尽きる前の蝋燭が一瞬光彩を放ったようなもので、実はポスト冷戦期の日本政治は一貫して自民党衰亡史だった、というべきだろう。昨年の民主党への政権交代は、その「自民党衰亡史」の一局面でしかなかった。
本書では、自民党政権の崩壊要因、民主党政権の本質と限界、小泉以後の政治指導者の功罪等について、戦後政治史を俯瞰しつつ検討する。
また、「2003年体制」仮説、「声高な少数派(noisy minority)」の跋扈、「無党派層」の正体、民主主義と隣り合わせの全体主義、「平成の保守合同」論など、ヴィヴィッドな論点を提示、論及している。現代日本政治に関心のある向きは是非一読されたい。)
出版社 / 発行
扶桑社 / 2010年2月17日
著者
遠藤浩一(えんどう こういち)
昭和33年(1958)年石川県金沢市生まれ。拓殖大学大学院教授・同日本文化研究所長。研究領域は政党論、選挙制度論、戦後政治史、戦後精神史、日本文化論等。産経新聞「正論」欄執筆メンバー。第10回正論新風賞受賞。著書に『政権交代のまぼろし』(産経新聞出版)、『福田恆存と三島由紀夫 1945-1970』(麗澤大学出版会、近刊)、『小澤征爾――日本人と西洋音楽』(PHP研究所)、『消費される権力者』(中央公論新社)などがある。
掲載日:2010年02月17日