拓殖大学関連の刊行物
『福田恆存と三島由紀夫』上・下巻 遠藤浩一(大学院地方政治行政研究科教授・日本文化研究所長)著
本書では、福田恆存と三島由紀夫の作品と生き方について検討を加えつつ、「戦後」という時代について根本的に問い直している。彼らが闘った相手は進歩主義であり、破壊主義であり、機会主義であり、便宜主義であり、あるいはニヒリズムだった。軽蔑したのは偽善であり、知的怠惰であり、安易な現実肯定主義だった。両者は戦後という時代を正面から引き受けつつも、これを疑い、歪みをただそうとし、美意識の研錬を実践した。
戦後精神史、思想史、精神史、文学史、演劇史という多角的な視点から、「日本が日本でなくなった時代」を描き、日本を背負い続けた二人の文士の交流と対立、彼らが、いかに考え、書き、行動したかを潜考する長篇評論。
出版社 / 発行
麗澤大学出版会 / 2010年4月28日
著者
遠藤浩一(えんどう こういち)
昭和33年(1958)年石川県金沢市生まれ。拓殖大学大学院教授・同日本文化研究所長。研究領域は政党論、選挙制度論、戦後政治史、戦後精神史、日本文化論等。産経新聞「正論」欄執筆メンバー。第10回正論新風賞受賞。著書に『政権交代のまぼろし』(産経新聞出版)、『福田恆存と三島由紀夫 1945-1970』(麗澤大学出版会、近刊)、『小澤征爾――日本人と西洋音楽』(PHP研究所)、『消費される権力者』(中央公論新社)などがある。
掲載日:2010年04月28日