拓殖大学関連の刊行物
『なぜ地理学が重要か』 内藤嘉昭(国際学部教授)訳/ハーム・ドゥ・ブレイ著
著者は米ミシガン州立大学で地理学教授を務める地理学者である。地理学は米国でもかなり地味な存在であり、マスコミで取りざたされることはむしろまれである。本書執筆の背景には、一般的な米国人による地理への無知な現状が指摘されており、その改善の意図もあったという。それゆえ、専門家向けの難解な内容でなく、地球環境問題や国際問題が地理学の立場からやさしく解説されている。
特徴的なのは、人文地理学と自然地理学との両方の知見が1冊の本に集約され、世界で何が今問題になっているのか、それを人文・自然両方の立場から解き明かしている点である。空間的視座から国際問題を俯瞰することは、日本人にとっても有意義であろう。
出版社 / 発行
学文社/2010年12月20日
著者紹介
内藤嘉昭(ないとう・よしあき)
1999年桜美林大学大学院国際学研究科博士課程単位取得満期退学(学術博士)。2008年拓殖大学国際学部教授。主な著書に『観光と現代』(近代文芸社)、『観光とアジア』(学文社)、『富士北麓観光開発史研究』(学文社)など。
掲載日:2010年12月20日