拓殖大学関連の刊行物
『食料自給率という幻──誰のための農業政策なのか』 茂木 創(政経学部准教授)著
『食料自給率という幻──誰のための農業政策なのか』
茂木 創(政経学部准教授)著
食料自給率を高めれば、本当に私たち国民の生活は今よりも豊かになるのでしょうか。
この点に対して、先入観を持たずに再検討してみようという意図から、本書は執筆されました。経済学的思考のもとに書かれていますが、一般読者が予備知識なく読めるよう配慮しました。
本書は、「自給率は上げるべきだ」という立場ではありません。だからといって、「自給率なんて問題ない」という立場でもありません。本書を貫くものはただひとつ、「自給率にこだわってこの国をどうしたいの?」というある意味冷やかな視点です。
野心的ではありますが、食料自給率をテーマとして取り上げることによって、「大事なものは『国益』である」ということを、高校生から一般社会人の皆さんにお伝えしたいという願いから本書は生まれました。本書を通じて、客観的かつ冷静に食料自給率の問題を考えることによって、「国益」について考える契機となっていただければ幸いです。
目次
はじめに 第1章 食料自給率とはなんだろう
第2章 輸入食料は悪なのだろうか
第3章 なぜ食料自給率だけが問題とされるのだろう
第4章 飢える途上国と世界の食糧事情、そして日本
第5章 農業大国・中国とどのように付き合うか
第6章 誰のための「安全」なのだろう
第7章 最適食料自給率とその実現に向けて
おわりに 食料自給率という幻を追いかけてはいけない
出版社 / 発行
唯学書房 / 2011年9月30日
著者
茂木 創 (もてぎ はじめ)
群馬県生まれ。2002年慶應義塾大学大学院経済学研究科後期博士課程修了。拓殖大学アジア情報センター非常勤嘱託研究員、新島学園短期大学、高崎経済大学非常勤講師、拓殖大学政経学部専任講師を経て、2008年より拓殖大学政経学部准教授。2006年には財務省の派遣により中国社会科学院世界経済與政治研究所客員研究員を務める。
掲載日:2011年09月30日