拓殖大学関連の刊行物
『日本文明論への視点―われら何処より来たり、何処へ往くか』 遠藤浩一編著
平成23年度拓殖大学日本文化研究所公開講座の講義が一冊の本になった。
「一つの文明圏としての日本」という考え方は、そんなに古くからのものではないが、独自の文明圏の形成自体は古代に遡る。
日本文明は他文明に包含されたことはなかったものの、他文明を包含する意思ももたなかった。しかし、いまや自らの文明像について再確認し、他者に向かって言挙げする必要性に迫られている。
自己拡大を続けていく日本文明の核心にあるものは何か? その核心と重層性に迫る。
本書の構成
はじめに(遠藤浩一)、第一章「『日本文明論』への視座」(田中英道)、第二章「国体と文明――和とまことにおける自己と他者」(西尾幹二)、第三章「日本語の哲学へ」(長谷川三千子)、第四章「『アジア主義』の超克」(古田博司)、第五章「美学と死生観」(井尻千男)、第六章「日本文明における『理性』と『自由』」(小堀桂一郎)、第七章「日本文明とシナ文明――その接点と境界」(北村稔)、第八章「異文化受容の衝動と逆説――自己確認と自己拡大の文明・精神史」(遠藤浩一)。
出版社 / 発行
展転社 / 2012 年 6月15日
編著者
遠藤浩一(えんどう こういち)
昭和33(1958)年石川県金沢市生まれ。駒澤大学法学部政治学科卒業。民社党月刊誌編集部長、広報部長、拓殖大学日本文化研究所教授などを経て、現在、評論家、拓殖大学大学院教授、同日本文化研究所長。第10回正論新風賞受賞。著書『戦後政治史論 窯変する保守政治 一九四五―一九五二』(勁草書房)、『福田恆存と三島由紀夫 1945-1970』(麗澤大学出版会)、『政権交代のまぼろし』(産経新聞出版)、『消費される権力者』(中央公論新社)など。
掲載日:2012年06月15日