拓殖大学関連の刊行物
『国境の島を発見した日本人の物語』 藤岡信勝(拓殖大学客員教授)著
2年前の2010年9月の尖閣事件は、四方海に囲まれ、日頃国境線を意識することなく過ごしてきたわれわれに衝撃を与えた。それまで尖閣諸島など国境の島について、その位置や、日本の領土となった由来など、基本的な知識が国民の間に共有されてこなかった。知らないから関心もなく、自国の領土としての愛着も生まれない。領土問題解決の土台は、まずこれらの国境の島について一通り「知る」ことだと考えられる。
本書は、そのような問題意識から、7つの国境の島を取り上げ、それを発見した日本人が、いかなる意図のもとに、いかなる努力を重ねてその島に足跡を残したのか、そして、いかなる経過でその島が日本領となったのかを、有名無名の人物を通して、分かりやすく興味深い物語として綴ったものである。先人が後世の私たちに残してくれた大切な宝を、次の世代に引き継ぎたい。
推薦文
みんなでこの国を守るという「あたりまえ」を共有しよう - 石原 慎太郎
「みんなでこの国を守りましょう」-これは「東京都尖閣諸島寄付金」を寄せてくださった方々へ、私がお送りしたお礼状の一節である。日本の国土は日本人の手で守る。当たり前のことである。にもかかわらず、なぜかこの国では、その「当たり前のこと」がおろそかにされてきた。
本書は、国境の島々を発見し、開拓し、占有してきた先人たちの足跡を丹念にたどった力作である。それゆえ日本の直面する領土問題が平易に理解できる。だが、何よりも「みんなでこの国を守る」という「当たり前のこと」を、日本人が共有する一助となることを期待したい。
出版社/発行
祥伝社/2012年8月1日
著者
藤岡信勝 (ふじおか のぶかつ)
昭和18(1943)年、北海道生まれ。北海道大学教育学部卒、同大大学院教育学研究科博士課程単位取得。北海道教育大学助教授、東京大学教育学部教授などを経て、現在、拓殖大学客員教授。戦後の歴史教育を根底から見直す。「自由主義史観研究会」を組織し、ベストセラー『教科書が教えない歴史』1~4(扶桑社)をまとめる。第21回正論大賞受賞。
著書に『近現代史教育の改革』(明治図書)、『汚辱の近現代史』、『呪縛の近現代史』以上、(徳間書店)、『「自虐史観」の病理』(文藝春秋)、『教科書採択の真相』(PHP新書)など、共著に『国民の油断』(PHP研究所)、『「ザ・レイプ・オブ・南京」の研究』(祥伝社)など。
掲載日:2012年08月01日