拓殖大学関連の刊行物
『ロジスティクスの改革最前線と新しい課題』 芦田誠(拓殖大学副学長・商学部教授)著
21世紀ミレミアムに入った頃から、中国とアセアン出身の留学生が大学院に入学してくるようになった。母国で物流が第3の利潤源として注目を集めるようになったからである。彼らの関心は、物流の最新理論、物流政策、企業の物流改革と分けると、後者に対するものが圧倒的に多い。物流現場の経験が乏しい私が一番苦手とする分野である。
そこで一大転機、着目したのが物流先進国として位置づけられる日米企業の物流改革であった。アメリカの物流大賞を毎年翻訳し分析、また実際に現地調査も数回行った。日本では、約千社が加盟する日本ロジスティクスシステム協会のグリーン物流研究会に参加させていただき、毎月1回企業の人と物流イノベーションについてディスカッションする機会を得た。
物流改革を明確にする動機からスタートした研究は、その後日本企業が取り組む「グリーン物流」、「グローバル物流」、そして「東日本大震災と物流」と研究範囲を拡げ内容を掘り下げていった。この間、研究成果を日本交通学会や日本海運経済学会の年次大会、運輸調査局、日本ロジスティクスシステム協会、拓殖大学経営経理研究所等で発表する機会を得、貴重なコメントと助言を数多くいただいた。本書は、こうした経緯を辿って出版に至った研究書である。イノベーション(改革)をキーワードに物流の断面を掘り下げ、新しい時代の物流の課題が明確になれば幸いである。
出版社 / 発行
税務経理協会 / 2013年3月30日
著者
芦田誠(あしだ・まこと)
拓殖大学副手、州立カリフォルニア大学バークレー校交通研究所客員研究員、拓殖大学貿易学科長、商学部長、日本交通学会理事、監事などを経て現職。
掲載日:2013年04月08日