拓殖大学関連の刊行物
『世界の宗教と人口』 新田目 夏実(国際学部教授)共著、早瀬保子、小島宏編著
従来人口学ではあまり取り上げられてこなかったテーマが宗教である。本書はそのような状況に鑑み、宗教と人口変動(出生、死亡、国内・国際移動)、および宗教と政策(人的資源開発、ジェンダー、家族政策等)の関係について分析したものであり、第4章(新田目担当) では、日本の宗教的人口分布と巡礼について分析を行った。第4章では、主要宗教・宗派別の地域分布が単なる歴史的偶然ではなく社会階層を反映するものであること、また、西国三十三ヵ所巡礼と四国遍路という宗教的人口移動の分析は、目的地の聖性とともに、御師、講、接待など特有の社会組織・習俗と深い関係がある点で、従来の人口移動研究にはなかった新しい視点を導入するものであることを明らかにした。
出版社 / 発行
原書房 / 2013年7月16日
著者
新田目 夏実(あらため なつみ)
1994年シカゴ大学大学院博士課程修了Ph.D. (社会学)。専門は人口学、都市社会学、アジア研究。2002年より現職。現在日本・アジアの少子高齢化と地域福祉、都市化と都市問題等を研究中。主な著書として「アジアの都市化の新局面」、新津晃一・吉原直樹編『グローバル化とアジア社会』、東信堂、2006年所収。
掲載日:2013年07月19日