拓殖大学関連の刊行物
『自由貿易神話解体新書』 関 良基(政経学部准教授)著
この本は、話題のTPP問題からさらに一歩踏み込んで、「自由貿易によって貿易する双方の国が得をする」という、経済学の基本的な命題を批判的に検討したものです。
自由貿易を肯定する経済学の貿易論は、いくつかの非現実的な仮定の上に構築されています。非現実的な仮定のいくつかを現実的なものに置き換えると自由貿易の不条理な側面が浮かびあがってきます。本書では、農産物と工業製品は財の性質が異なり一律に扱ってはいけないこと、自由貿易は失業と総需要不足をもたらすこと、穀物価格を不安定化させ飢餓リスクを高めること、熱帯林破壊や沙漠化や生物多様性の減少に帰結することなど、自由貿易の諸弊害について理論的・実証的に論じました。
出版社 / 発行
花伝社/2012年9月20日
共著者
関 良基 (せき よしき)
拓殖大学政経学部准教授。1969年信州上田生まれ。京都大学大学院農学研究科博士課程修了。博士(農学)。早稲田大学助手、(財)地球環境戦略研究機関・客員研究員などを経て、2007年より拓殖大学政経学部に赴任。主な著書に『複雑適応系における熱帯林の再生』『中国の森林再生』(ともに御茶の水書房)など。
掲載日:2012年09月14日