拓殖大学関連の刊行物
『プロスペローの庭』 相沢正一郎(商学部非常勤講師)著
なたねづゆ、さみだれ、さざんかしぐれ、あせもからし、うのはなくたし、きつねのよめいり、ばばおどし――ふとんのなかであなたは名前をおもいだしている……さわさわ、さわさわ、あまどのそとの音にぬれながら……あなたはわたしの名前をおもいだしている。
夢のなかで、あなたは野ざらし。はいたからも、くつずれからも、こいわずらいからもかいほうされた、野ざらし――あまどのそとのあかるいささやきにうたれながら、あなたは名前をおもいだそうとしている……あなたはあなたの名前をおもいだそうとしている。 「野ざらし」より
出版社 / 発行
書肆山田/2012年11月10日
著者
相沢正一郎(あいざわ しょういちろう)
1950年、東京生まれ。拓殖大学商学部卒業。詩人。2005年『パルナッソスへの旅』でH氏賞、『テーブルの上のひつじ雲/テーブルの下のミルクティーという名の犬』で藤村記念歴程賞。詩の朗読とロックやクラシック、舞踏などでも知られる。ほかに『リチャード・ブローディガンの台所』、『ふいに天使が きみのテーブルに着いたとしても』、『ミツバチの惑星』など。
掲載日:2012年11月19日